第1回
株式会社 房の駅農場
代表取締役 岩本 真哉さん

1 そのためにはまず『GLOBALGAP』の取得が必要


千葉県市原市葉木に2.6ヘクタールの農場で作られているのが、千葉県が全国の収穫量1位を誇る落花生だ。 そこでは年間6tの収穫を誇っている。生産している会社は、株式会社房の駅農場。そこで働く岩本真哉さん(39歳)は 世界にも自分たちの作った農産物を輸出して行く事や、東京五輪が開催される2020年に選手村や空港などで 自分達の作った『落花生』や『イチゴ』を食べてもらう為にも『GLOBALGAP(グローバルギャップ)』の取得が必要で、 それが世界一カッコいい農業を目指すための最初の取り掛かりだと思っていますと話してくれた。

落花生は『房の駅農場』でも主力商品となっているが、20年前と比べ、千葉県の落花生の生産量は半減している。 そこで岩本さんたちは『落花生増産プロジェクト』を立ち上げた。ここでは『機械の導入』を積極的に行い、 出来るだけ手間と人材のかからない作業にシフトしていくことで、落花生の増産に取り組んでいるのだという。





岩本さんが急務だと語る『GLOBALGAP』とは?

生鮮品を生産する工程(農薬の使用基準・農産物の作り方・環境配慮・労働福祉など)の管理に関して、1990年代の 欧州で小売業界が作った世界標準となる共通の規範が『GLOBALGAP(グローバルギャップ)』である。 2012年のロンドン五輪では、選手村で使う食材については全て『GLOBALGAP』か、それと同等の規格で認証を得た農場の農産物しか使えなかった。 2020年の東京五輪でも同じことが要求される可能性があるのだ。しかし、日本で『GLOBALGAP』を取得している農家はごく少数なため、 日本での開催なのに食材を輸入しなければならなくなる可能性があるのだ。

2 農業との出会い~房の駅農場から農業のイメージを変えたい


岩本さんが勤める房の駅農場とは、『千葉のおいしいを大切に3,000品』をスローガンに掲げ、製造・問屋・小売を手がける会社である。 2005年に立ち上げた房の駅農場は諏訪商店の会長が趣味で始めた農業が始まりだったという。 それがやがて袖ヶ浦市で1,500坪の土地を借りて農産物を作るようになり、趣味の範囲を超え、やがて事業として『房の駅農場』が誕生した。 そんな中で、もともと農業をしたいと言っていた岩本さんが代表となり、『房の駅農場』の運営が任されることとなったのだ。

性格は活発だという岩本さん。全く農業とは関係の無い立正大学の経営学部を卒業し、コピー機の営業会社に就職するも、 仕事が合わないと感じ3ヶ月で退社し、その年の6月には観光土産の卸売業をしている『株式会社諏訪商店』に入社した。 岩本さんが入社してすぐに『房の駅農場』が誕生し、そこで働き始めたところから農業を始めたという。

やがて元々実家が養鶏をやっていたという川島さんや、渋谷の美容院を経営していた藤本さんといった農業をしたいという仲間が増え、 これまで以上に『房の駅農場』の売り上げを伸ばしていった。 さらに岩本さんたちはInstagramなどのSNSを利用して、農業の見せ方を変え、世界に日本の農業をアピールしようと試みている。 また、ドローンを使って農場を空中から撮影し、農業の持つマイナスイメージを変えていこうとしているのだ。 栽培管理も現在ではスマホで行えるようになっているという。








3 今後の目標と農業を目指すかたへ


今後は『房の駅農場』を中心とした、そこでの収穫体験や、農家レストランなどで楽しめる『房の村』という食のテーマパークを作ろうと構想中なのだとか。 2020年の東京オリンピックまでの完成を目標としている。

農業には『きつい、汚れる、大変』というようなマイナスイメージもありますが、実際に作物を作ってみると、それをはるかに超える感動があります。 土に触れて、実際に収穫物が出来上がって、それを出荷してという、とても夢のある仕事です。 是非皆さんもこちら側に来て下さい。


株式会社 房の駅農場 公式サイト